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株式会社 日立メディコ

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HI VISION Preirus

日立メディコの装置が医療の現場を変える
──日立グループの総力を結集した「患者さまにやさしい装置」の創出──

 当社の製品コンセプトである「患者さまにやさしい装置」とは、装置自体の性能が優れていることは当然ですが、装置を実際に操作されるお客さまの「操作性」、患者さまが閉塞感・不安感を感じることなく快適に検査を受けることができる「快適性」の2つが備わっていることです。
  現在、当社は(株)日立製作所と共同で立ち上げた「医療システム開発センタ」において、高度最先端技術を駆使して性能を向上させ、さらに操作性・快適性を融合させた次世代製品の開発に取り組んでいます。
  「患者さまにやさしい装置」の創出に向けた「当社の想い」をご紹介します。
   
● デジタル診断用超音波装置 HI VISION Preirusの誕生
 今年2月に販売を開始したデジタル診断用超音波装置 HI VISION Preirusは、最新のデジタル技術を駆使し、日立グループの総力を結集して、超音波の送受信を行う単結晶探触子と、診断用超音波装置に特化したデジタル信号処理技術(Ultrasound Broadband Engine)で、美しくクリアな画像を実現しました。
 さらに、組織の硬さを画像化する Real-time Tissue Elastography (エラストグラフィ)、X線CT装置やMRイメージング装置と診断用超音波装置の断層画像をリアルタイムに並列表示する Real-time Virtual Sonography など、充実した機能を搭載することで、多くの臨床現場でご活用いただける装置です。
 例えば、エラストグラフィは超音波探触子と呼ばれるセンサ部分を生体に当て軽く圧迫するだけで、リアルタイムに組織の硬さに相関した情報がカラー表示され、腫瘍の良悪性の判断の一助となります。
 このような性能の向上により、多くの人々の健康に貢献します。
HI VISION Preirus
「HI VISION Preirus」
   
① 開発体制
 HI VISION Preirusの開発はオフセットオープン式多目的イメージングシステムCUREVISTAの開発体制を踏襲し、最初に到達すべきゴール(仕様)を決めて全員がそれを共有しながら妥協することなく完遂する開発体制を継承しました。
  この開発体制は、設計者はもちろんのこと、営業、マーケティング担当者、そして日立製作所デザイン本部のデザイナーが実際に装置を使用されている医療の現場へ赴き、お客さまの生の声をお聞きするところからスタートしました。
 当社は、自社の装置を自分たちで使用することができません。そのため、実際に装置を使用される方々の生の声が何よりも大切です。開発の前段階から装置が医療の現場で、どんな環境でどのように使われているのか、当社の関係者が実際に臨床の現場に入って徹底的に調査を行いました。
 実際に操作するお客さまからヒアリングするだけでなく、臨床現場を観察することでお客さまが本当に求めているものを把握し、見た目だけでなく使い勝手の良さも含めて装置の開発に反映させました。
② 完成イメージの共有  
 HI VISION Preirusは、設計の前段階でコンセプトカタログや原寸大の製品模型(モックアップ)を製作し、具体的な装置の完成イメージに基づいて個々の開発を進めました。 HI VISION Preirusの命は美しくクリアな画像と、検査スタイルによって大きくしかもスムーズにポジションを移動できる機構にあることから、開発に関わる者がより具体的に完成イメージを共有できるようにするためコンセプトカタログや原寸大の製品模型を製作しました。
  開発の核となる部分をより具体的に視覚的に確認し、イメージを共有することで製品コンセプトを崩さないことが装置の完成につながりました。
  モックアップ
コンセプトカタログ
コンセプトカタログ
  モックアップ
③ HI VISION Preirusの先進テクノロジー
 HI VISION Preirusは、性能向上のため、従来型の複数の結晶構造を有する圧電セラミックスよりも高感度で広帯域な特性を得る単結晶探触子を開発し、さらに最新のデジタル技術を駆使して、これまでほとんど画像化することができなかった低周波成分を画像化することと、アーチファクトの原因であったノイズを低減し分解能を向上させることに成功しました。
  操作性向上のため曲線を大胆に取り入れたラウンドフォルムを採用し、検査スタイルに合わせて操作パネルとモニタが上下するよう設計しました。お客さまは楽な姿勢で検査を進めることができ疲労軽減が期待されるとともに、モニタにはタッチパネル方式を採用し、モニタから目を離さず直感的に操作ができるようにすることで、パネルとモニタの視線移動が軽減され、お客さまにやさしい装置、ひいては患者さまにやさしい装置を実現しました。
 このデザインされた形状を安易に変更することなくコンパクトに収納させることは非常に難しいことでした。狭いベッドサイドへの移動を楽にし、患者さまのもとに高い技術を持ち込むことを目標に、高密度実装技術を用いて装置の横幅を従来の60cmから45cmに小型化させる一方、ソフトウェアによる画像処理技術を駆使し、診断用超音波装置に特化したデジタル信号処理技術を開発し高性能高解像度の画質を実現しました。
 開発の過程で時にはデザイナーと設計者が激しいディスカッションをすることもありました。しかし、お客さまが求める操作性を実現するために、全員が製品コンセプトを理解・共有し、最後までコンセプトカタログを目標に製品化しました。
 操作性・快適性の向上が、臨床の現場で装置をご使用になるお客さまの負担を減らし、患者さまにも安心感をもっていただくことで受診への抵抗感の軽減につながります。
 
組織の力を最大限に発揮した開発
HI VISION Preirus開発担当者 USシステム本部開発設計部 GL主任技師 吉田尚浩
 HI VISION Preirusの特長は、斬新なラウンドフォルムとそれに合わせて操作パネルとLCDモニタが一体でスライドする機構にあります。 このコンセプトデザインを最初に見たとき、これは大変だなと思いました。今までにはない機構が必要になりますし、装置サイズを小型化しかつ、画質・機能は従来以上、コストは従来以下を目指す必要があったからです。そのブレークスルーのため、日立グループの一員である当社の強みを活かして、(株)日立製作所各研究所、デザイン本部と一体となり技術開発、装置デザインそして製品開発に取り組みました。 HI VISION Preirus開発担当者
  診断用超音波装置の命である画質向上は至上命題であり、超音波原信号の高品位化のため高精度デジタルフォーカス技術、低ノイズ信号増幅技術を開発しS/N比、分解能の向上を図りました。また、高画質化には超音波原信号の高品位化とあわせて画像処理の高機能化が必要であり、さらにここでは大幅な小型化があわせて求められ、従来ハードウェア処理であった部分をソフトウェア処理とすることで小型化、高性能化の両方を達成しています。
  このような技術開発をもってしてもコンセプトデザインであるラウンドフォルムの実現は困難を極めました。しかし、プローブポートの位置変更を実装設計者が提案し、デザイナーと激しいディスカッションを重ねた結果、現実的な現在の位置に決まったことで開発の実現性が一気に高まった瞬間は、記憶に深く刻まれています。 エンジニアリングデザイナーともいえる一人の設計者の製品開発へかける想いが通じた瞬間でした。
  現代の少子高齢化社会では子供から大人まで安心して検査を受けることができる装置が求められます。そのためには、検査するお客さまにとっても、検査を受ける患者さまにとってもやさしい装置が必要です。これからも、お客さまにも患者さまにもやさしい製品開発を進めてまいります。
   
● 「スマイルイエロー」に込めた想い
 CUREVISTA、HI VISION Preirusは、お客さまや患者さまの身体が触れる部分に暖色系の配色である「スマイルイエロー」という医療機器としては大胆なカラーリングを採用しています。
 これまでの装置は、清潔感や安心という概念で白や青が多く使われてきました。しかし、病院といっても環境は様々で照明や壁の色、広さが全く異なります。今回、検査室や病室などの実際の使用環境の中で装置がどういった印象を与えるのかを根本から見直しました。
 その結果、検査環境の照明に装置の色彩が左右されず、患者さまができるだけリラックスできるカラーリングが「スマイルイエロー」でした。
 ともすれば冷たいといった印象を持たれがちな装置に、温かみを感じ、安心感をもっていただきたい、そして「患者さまをスマイル(幸せな笑顔)で帰してあげたい」という想いから「スマイルイエロー」と名付けました。
 
 HI VISION Preirusは、2009年度グッドデザイン金賞(注)、キッズデザイン協議会が主催する第3回キッズデザイン賞商品デザイン部門賞を受賞しました。
 グッドデザイン賞の審査委員の方からは「患者に安心感を与える優しいフォルム」「患者や技師、両者に優しさを与えるデザイン」「最大限のホスピタリティを施したデザイン」といった点が高く評価されました。
 キッズデザイン賞ではHI VISION Preirusの妊産婦に優しい配慮を施した色彩や形状、子供が親しみやすい動物に似たフォルムに加え、操作系のユニバーサルデザイン化が施されたことで医師の方によりよい診断環境を提供している点と医療機器にキッズデザインの理念を持ち込んだ先進性、提案性が評価されました。

2009年度グッドデザイン金賞
(注)「2009年度グッドデザイン賞」は、2,952件の応募があり、「グッドデザイン 金賞」はその中から特に優れていると認められる15件に与えられる賞です。 第3回キッズデザイン賞商品デザイン部門賞
 
患者さまへのやさしさを込めたデザイン
(株)日立製作所デザイン本部社会ソリューションデザイン部 主任デザイナー 二ノ宮 篤氏
(株)日立製作所デザイン本部社会ソリューションデザイン部 主任デザイナー  医療デザインには色や形と言ったことも重要ですが、患者さまとお客さまに「安心」・「安全」そして「やさしさ」を提供できるデザインであることが重要です。特に「患者さまへのやさしさ」は最も大切です。医療に携わるデザイナーがその重要性を充分理解し、確実に実現することによって社会に貢献すべき、という強い想いで装置のデザイン開発に取り組んでいます。
 そのために現場を徹底的に観察し、装置のあるべき姿を早期に立案し、開発関係者全員でイメージを共有することにより初期段階から一貫したデザインコンセプトによる開発を進めることができました。
 例えばCUREVISTAでは設計の段階で製品の仮想の「コンセプトカタログ」を作成しました。CUREVISTAは検査がゆったりと受けられることとアームがヤシの木をイメージさせることから、夏のビーチの写真を使ったカタログになっており、製品の原型ができる前に機能や使い勝手まで、そのままで営業活動にも使えるような完成後のイメージを先取りした本格的なパンフレットとなっています。
 また、HI VISION Preirusは子供から大人まで、妊産婦から救急医療まで様々な環境で使用されます。安全でスピーディーに使いやすく、安心でやさしく怖くない、そして様々な環境で対応する色彩と使いやすいインターフェースにやさしいフォルムを追求しました。また、手を触れる部分には使いやすくやさしい形、ネジの見えないカバー構成やメンテナンス性への配慮、座り操作に適した足元のワークスペースの確保など細部にも気を配りました。
 我々が目指すものは、お客さま、患者さまへやさしさが伝わる装置です。近年の努力の成果で我々の想いを操作性、快適性という具体的な形で製品として世に出すことができました。これからも「患者さまにやさしい装置」を1台でも多く世の中に提供し、一人でも多くの患者さまの命を救うことができるようデザインの次の役割はなにかを模索していきます。
   
 CUREVISTAは、これまでに2007年度グッドデザイン賞、2008年 iFデザイン賞(ドイツ)、第38回機械工業デザイン賞経済産業大臣賞、2009年度全国発明表彰朝日新聞賞など、多くの賞を受賞しました。形や色のみでなく、装置そのものが持っている性能や操作性・快適性がデザインに現れていることが多くの受賞に結びついています。

  CUREVISTA
        CUREVISTA
CUREVISTA   CUREVISTA
CUREVISTAが受賞した多くの賞   コンセプトカタログ

HI VISION Preirus , Preirus, Ultra BE, Ultra BE/Ultrasound Broadband Engine, Real-time Tissue Elastography, Real-time Virtual Sonography は株式会社日立メディコの登録商標です。